共通プロパティ
ここでは、「テキスト」フィールドを例にとって、Platio Studioのフィールドプロパティが、端末のデータポケットで実際にどのように動作するかを説明します。
基本プロパティ
各種フィールドで共通の基本プロパティを解説します。
※すべてのフィールドで共通ではありません。基本プロパティは型ごとの場合があります。
主なプロパティの種類を示すアイコンがあり、データポケット編集画面の各フィールドに表示されます。
検索可能
Platioアプリの一覧シーンで検索アイコンをタップして検索するときに検索対象にするかどうかを指定します。
オン | 検索対象にします。 |
オフ | 検索対象にしません。 |
※データポケット内のフィールドがすべて検索可能でない場合、Platioアプリの一覧シーンで検索アイコンは表示されません。
※このプロパティは副データポケット、埋め込みデータポケットごとに設定できます。
※このプロパティをオンにすると内部的なインデックスが作成され、インデックス数が上限に達するとミニアプリが配布できなくなります。「検索可能」「ソート可能」「値の重複を許さない」プロパティをオンにするフィールド数は、1データポケットあたり合計15フィールド程度を目安に利用してください。
検索可能なフィールドがあると、Platioアプリで一覧シーンに検索アイコンが表示され、タップすると検索条件が表示されます。表示される検索条件は、一覧シーンのプロパティで「定義済み検索条件」が設定されている場合と設定されていない場合で、表示される画面が異なります。
「定義済み検索条件」が設定されていない場合
検索条件の画面に、検索可能をオンにしたフィールドが全て表示されます。フィールドの型ごとに適した入力方法で指定することができます。検索したいフィールドに、値を入力して下部の「検索」をタップして検索できます。複数のフィールドの場合、各フィールド値のAND検索になります。特定のフィールドで検索したい場合は、対象のフィールドに値を入力し、他フィールドは空で検索するようにします。
※「定義済み検索条件」について詳しくは、Platio Studioガイド「7.1.2. 一覧シーンの定義済み検索条件」を参照してください。
Platioアプリで検索アイコンをタップしたときの検索条件は以下になります。
- テキスト選択フィールドは選択
- 数値系フィールドは数値範囲
- 数値選択フィールドは選択
- 日時系フィールドは日時範囲
- 日付系フィールドは日付範囲
- 時間系フィールドは時間範囲
- スイッチ系フィールドは演算子「等しい」
- ユーザー系フィールドはユーザー、演算子「等しい」
- それ以外はテキスト系フィールドの演算子「含む」
「定義済み検索条件」が設定されている場合
検索条件の画面に「定義済み検索条件」に設定した検索条件のみが表示されます。定義済み検索条件をタップして検索できます。
ソート可能
Platioアプリの一覧シーンで、ソートアイコンをタップしたときにソートするかどうかを指定します。
オン |
ソートできるようにします。一覧シーンでソートアイコンをタップするとフィールド名が表示され、ソートを指定できます。 オンにすると、さらに、ソート可能にした複数のフィールドのうち、どのフィールドが初期画面でソートするかどうかを指定できます。
契約プランがPremium/Enterpriseの場合、ソート対象のフィールドが同じ値のときに別のフィールドをソート対象に指定できます。 ※該当プランの場合のみオプションが表示されます。
さらに、逆順にするかどうかを指定できます。
|
|||||||
オフ | ソートしません。一覧シーンでソートアイコンをタップしたときフィールド名が表示されません。 |
※データポケット内のフィールドがすべてソート可能でない場合、データポケットでソートアイコンは表示されません。
※このプロパティは副データポケット、埋め込みデータポケットごとに設定できます。
※このプロパティをオンにすると内部的なインデックスが作成され、インデックス数が上限に達するとミニアプリが配布できなくなります。「検索可能」「ソート可能」「値の重複を許さない」プロパティをオンにするフィールド数は、1データポケットあたり合計15フィールド程度を目安に利用してください。
ソート可能をオンにした場合、Platioアプリのデータポケット画面の表示は下図のようになります。
値の重複を許さない
データポケットの入力・編集シーンで入力するときに、同じデータポケット内で既に入力された値との重複を許すかどうかを指定します。(副データポケットを含む)
オン | 重複を許しません。重複値を入力するとエラーメッセージが表示されます。(下図) |
オフ | 重複を許します。 |
※このプロパティをオンにすると内部的なインデックスが作成され、インデックス数が上限に達するとミニアプリが配布できなくなります。「検索可能」「ソート可能」「値の重複を許さない」プロパティをオンにするフィールド数は、1データポケットあたり合計15フィールド程度を目安に利用してください。
オンにした場合、Platioアプリのデータポケット画面で重複値を入力すると下図のようになります。
※入力したデータは保存されません。
必須
データポケットの入力シーンで入力するときに、入力を必須にするかどうかを指定します。
オン | 必須にします。入力しないで保存アイコンをタップするとエラーメッセージが表示され、フィールドに入力必須マーク「!」が表示されます。(下図) |
オフ | 必須にしません。入力なしでも保存できます。 |
オンにした場合、Platioアプリのデータポケット画面で値を入力しないと下図の右のようになります。
初期値
データポケットの入力シーンで入力するときに初期値が入力されているようにする場合には、初期値を入力します。
※初期値の設定は、データビューアーでは動作しません。
※プロパティ画面で「高度なプロパティを表示」をクリックすると、初期値の設定方法が選択できます。詳しくは次で説明します。
高度なプロパティ
フィールドプロパティで「高度なプロパティを表示」をクリックするとプロパティが展開され、追加でプロパティが表示されます。
高度なプロパティのうち、各種フィールドで共通なプロパティを解説します。
※すべてのフィールドで共通ではありません。
初期値
データポケットの入力シーンで入力するときに初期値が入力されているようにする場合には、初期値を指定します。「初期値」プロパティをクリックして選択します。
「初期値」プロパティでは以下を指定できます。
なし |
初期値を設定しません。 |
||
値 |
「値」プロパティに初期値を指定します。
|
||
前回の入力値 |
データポケットの入力シーンで前回レコード入力時に入力した値が指定されます。 ※同一の端末、同一のアプリユーザーで入力した場合に限ります。 また、Platioアプリでミニアプリの設定から「端末内の一時データを削除」をタップして削除を行った場合は前回の値は保持されません。 |
||
レコード選択 |
同じデータポケット内に「レコード選択」フィールドがある場合に、「レコード選択」フィールドの参照先レコードにある指定したフィールドの値を初期値にします。
※レコード選択の設定方法については、ガイド「レコード選択」の「フィールドの初期値プロパティ「レコード選択」」を参照してください。 |
||
式 |
契約プランがPremium/Enterpriseの場合に本オプションが表示され、初期値をPlatio式で設定できます。 本オプションを選択して表示された式フィールドにPlatio式を記述することができ、現在の情報を設定する特殊な値を設定できます。ガイド「特殊な値」を参照してください。 初期値の式で自動設定された値は、Platioアプリで編集可能です。式に記述された別のフィールドの値が変更されると、初期値は再設定されます。再設定される場合、編集した値は置き換えられます。 ※計算系フィールド等の他のPlatio式を記述する箇所は自動設定された値を編集できません。 |
※初期値の設定は、データビューアーでは動作しません。
※初期値は、データポケットのシーンのフィールド設定で「なし」「表示」のとき設定されません。シーンでフィールドを非表示にして初期値を設定したい場合は、「計算」を選択します。
説明
データポケットのレコード入力画面で、フィールド名の下に表示されます。入力時のヘルプのように使えます。
記述した場合、Platioアプリのデータポケット画面のフィールドで下図のように表示されます。
※文字数の制限はありませんが、実際のPlatioアプリでの表示領域は、お使いになるデバイスとOS、データポケットの表示サイズの設定によって変わります。1000文字までを目安にご利用ください。
「説明」プロパティに文字列を入力すると、説明を表示するシーンを指定する表示オプションが表示されます。
表示オプションでは以下を指定できます。
表示 | データポケットの表示シーンで説明を表示します。 |
入力 | データポケットの入力/編集シーンで説明を表示します。 |
両方 | データポケットの入力/編集/表示シーンで説明を表示します。 |
色
データポケットのレコード入力・表示・編集画面と一覧画面で、フィールドの表示文字の色を指定できます。
指定した場合、Platioアプリのデータポケット画面で下図のように表示されます。
Platio Studioのフィールドプロパティで「色」プロパティをクリックします。
「色」プロパティでは以下を指定できます。
なし | 色を指定しません。 |
固定色 | 指定した色で文字を表示します。 |
条件 | フィールドに対して、条件によって指定した色で文字を表示します。条件に一致した場合と、一致しなかった場合の色を指定できます。条件は複数指定できます。 |
式 | Platio式で指定した色で文字を表示します。 |
固定色
「固定色」を選択して、表示された「×」アイコンをクリックします。
表示されたパレットで色をクリックしてパレットから選択するか、色コードで指定します。
条件
「条件」を選択して、表示された「条件を編集」アイコンをクリックします。条件の編集画面で条件を指定するには、左から「フィールド」「条件」「色」を指定します。
右の「+」をクリックすると次の条件が追加され、複数の条件を指定できます。
条件の対象にするフィールドを選択します。設定するフィールドとは別のフィールドも対象にできます。
例えば、下図では「管轄局」テキスト選択フィールドに文字列「管轄局3」が入力された場合、このフィールドの文字を「赤」で表示し、それ以外の場合に「黒」で表示します。
色は初期設定で赤、黒に指定されています。クリックすると色を変更できます。
「+」をクリックして複数の条件を設定できます。
条件の判定は、指定したフィールドの型によって表示される内容が異なります。
フィールドの型 | 条件 |
文字列 | に等しい / に等しくない / から始まる / で終わる / 指定済み / 未指定 |
数値 | より小さい / 以下 / に等しい / 以上より大きい / に等しくない / 指定済み / 未指定 |
真偽値 | オン / オフ / 指定済み / 未指定 |
日付 |
比較対象にカレンダーアイコンが表示されます。クリックしてカレンダーから日付、時刻を指定できます。 より前 / 以前 / に等しい / 以降 / より後 / に等しくない / 指定済み / 未指定 |
オブジェクト |
に等しい / に等しくない / 指定済み / 未指定 |
例)
式
「式」を選択して、表示された色フィールドにPlatio式を記述します。
例)あるフィールドと別のフィールドに同じ値が入力されたときに赤で表示、それ以外は黒で表紙
c1111111 == c2222222 ? "#FF0000" : "000000"
Platio式については、ガイド「Platio式」を参照してください。
色コードは、色選択画面で色の上をマウスオーバーして確認することもできます。
背景色
データポケットのレコード入力・表示・編集画面と一覧画面で、フィールドの背景色を指定できます。
指定した場合、Platioアプリのデータポケット画面で下図のように表示されます。
Platio Studioのフィールドプロパティで「背景色」プロパティをクリックします。
設定方法は前述の「色」プロパティを参照してください。
条件付き表示
ここで指定した条件を満たしたときに、データポケットの入力シーンでフィールドが表示されます。条件を満たさない場合、フィールドは表示されません。必要の無いフィールドを表示しないことで入力時に迷うことがなく入力の負担軽減になります。
「条件付き表示」プロパティをクリックして条件のタイプを選択します。
これらのタイプを使う前に、「スイッチ」フィールドと「レコード選択」フィールドを理解してください。「レコード選択」フィールドについて詳しくは、フィールドガイド「レコード選択」を参照してください。
「条件付き表示」プロパティでは以下を指定できます。
なし |
条件付き表示を指定しません。 |
スイッチフィールド |
同じデータポケット内のレコードに「スイッチ」フィールドがある場合に、ここで選択した「スイッチ」フィールドがレコード入力時にオンにしたときに、このフィールドを表示します。 ※このフィールドより前(アプリでの表示位置は上)にスイッチフィールドがあると分かりやすく入力できます。 例)「状況確認」スイッチフィールドがオンの場合にのみ、状況詳細を入力するフィールドを表示する。 |
レコード選択 |
同じデータポケット内のレコードに「レコード選択」フィールドがある場合に、そこで参照している別のデータポケット内にある「スイッチ」フィールドがレコード入力時にオンのときに、このフィールドを表示します。 ※すでに別のデータポケットで登録済みの情報が参照されます。 例)店舗情報を管理している別のデータポケットで、レコード選択により店舗名を選択したときに、店舗が「ビル店舗」スイッチフィールドがあり、かつオンで登録されている場合にのみ、フロア選択フィールドを表示する。 ※レコード選択の設定方法については、ガイド「レコード選択」の「フィールドの条件付き表示プロパティ「レコード選択」」を参照してください。 |
条件 |
フィールドに対して、条件によって表示するしないを指定します。条件に一致した場合と、一致しなかった場合の表示を指定できます。条件は複数指定できます。 設定方法は前述の「色」の「条件」を参照してください。 例)勤怠連絡のデータポケットで、報告内容のテキスト選択で「遅刻」を選択した場合にのみ、出社予定時間を入力する時間フィールドを表示する。 |
式 |
Platio式を評価した値を、以下のように真偽値に変換した上で、真の場合にはフィールドを表示し、それ以外の場合にはフィールドを非表示にします。 <変換ルール> – undefinedとnullは、falseに変換されます。 例: テキストフィールドのID c1111111 と日時フィールドのID c2222222 を参照して、両方に値が設定されている場合にフィールドを表示したい場合は、下記のように記述できます。 c1111111 && c2222222 ※Platio式では、同じデータポケット内のフィールドの値をフィールドIDで指定して参照できます。 |
条件を設定すると以下のオプションが表示されます。
非表示の時には値を保存しない |
オフの場合、非表示の時には値を保存します。 オンの場合、非表示の時には値を保存しません。 |
スイッチフィールド
以下に例を使って図示して説明します。
「危険種別」「詳細説明」「危険度」などの危険情報のフィールドを、「危険地域情報」データポケットの「危険の有無」スイッチフィールドをオンにしたときに自動で表示されるように設定できます。図
※詳しくは、Platio Studioでテンプレートからミニアプリを作成して確認してください。
条件
「条件」を選択して、表示された「条件を編集」アイコンをクリックします。条件の編集画面で条件を指定するには、左から「フィールド」「条件」「表示/非表示」を指定します。
右の「+」をクリックすると次の条件が追加され、複数の条件を指定できます。複数の条件のうち、どれか1つでも満たしているかどうかで判定されます。
設定方法は前述の「色」の「条件」を参照してください。
「出社予定時間」時間フィールドは、「報告内容」テキスト選択フィールドで「遅刻」を選択したときに表示するように設定できます。
※詳しくは、Platio Studioでテンプレートからミニアプリを作成して確認してください。
式
「式」を選択して、表示された式フィールドにPlatio式を記述します。
Platio式については、ガイド「Platio式」を参照してください。
値の検証
※Platioアプリ iOS版 3.2.23とAndroid版 3.2.26以降で動作します。
フィールドに入力された値を検証する条件または式を指定できます。条件がエラー、または式がtrue以外の場合に、既定のエラーメッセージが表示されます。表示されるエラーメッセージを指定したい場合、後述の「エラーメッセージ」プロパティに記述します。
Platio Studioのフィールドプロパティで「値の検証」プロパティをクリックします。
「値の検証」プロパティでは以下を指定できます。
値の検証は、初期設定(データポケット画面を表示したとき)は検証されません。一度、フィールドに値を入力する、または保存をタップすることにより検証が動作します。
なし | 値の検証を指定しません。 | ||
条件 |
フィールドに対して、条件によって指定した条件で値を検証します。条件は複数指定できます。 条件を指定すると、下記オプションが表示されます。
|
||
式 |
Platio式で指定した条件で値を検証します。 式を記述すると、下記オプションが表示されます。
|
※値の検証は、データポケットのシーンのフィールド設定で「入力」のときのみ動作します。シーンのフィールド設定については、Platio Studioガイドの「新規/表示/編集シーンの設定」を参照してください。
条件
「条件」を選択して、表示された「条件を編集」アイコンをクリックします。条件の編集画面で条件を指定するには、左から「フィールド」「条件」「OK/エラー」を指定します。条件の対象にするフィールドを選択します。設定するフィールドのみ選択できます。
右の「+」をクリックすると次の条件が追加され、複数の条件を指定できます。複数の条件のうち、どれか1つでも満たしているかどうかで判定されます。
設定方法は前述の「色」の「条件」を参照してください。
式
「式」を選択して、表示された式フィールドにPlatio式を記述します。
例)時間フィールドに入力できる値が9時から17時までの場合
09:00:00 <= c1111111 /* 時間 */ && c1111111 /* 時間 */ <= 17:00:00
例)開始時間フィールドが終了時間フィールドよりも前の場合
c1111111 /* 開始時間 */ < c2222222 /* 終了時間 */
Platio式については、ガイド「Platio式」を参照してください。
エラーメッセージ
テキストフィールドの「正規表現」プロパティや数値フィールドの「最小値」「最大値」プロパティのように入力する値を制限したり、メールアドレスやURLのように標準化仕様に従った形式があったりする場合、また、「値の検証」プロパティで条件がエラーまたは式がtrue以外の値の場合に、Platioアプリのデータポケット画面のフィールドで、決まった形式ではない値が入力されると「有効な値を入力してください。」のように既定のエラーメッセージが表示されます。
このエラーメッセージを記述した場合、下図のように既定のエラーメッセージの代わりに表示され、入力時の警告メッセージのように使えます。
※エラーメッセージが長文の場合、折り返して表示されます。