このチュートリアルは、Platio Studioへログインしてミニアプリを作成し、データビューアーとPlatioアプリからレコード操作ができる方を対象にしています。
このチュートリアルでは、別のデータポケットの値を対象にして合計や最新値など集計処理を行う集計フィールドについて解説します。
集計フィールドには以下の種類があり、さまざまな集計処理に使うことができます。
アイコン | フィールド名 | 説明 |
---|---|---|
集計 | 別のデータポケットのレコードの数値を集計します。 | |
最新テキスト | 別のデータポケットの最新のレコードからテキストを取り出します。 | |
最新日時 | 別のデータポケットの最新のレコードから日時を取り出します。 | |
最新日付 | 別のデータポケットの最新のレコードから日付を取り出します。 | |
期間集計 | 別のデータポケットのレコードの期間(経過時間)を集計します。 | |
最新位置 | 別のデータポケットの最新のレコードから位置を取り出します。 |
このチュートリアルでは、集計フィールドを使って、Platioでの集計処理の理解を進めます。
このチュートリアルでできること
- 集計フィールドを使って、別のデータポケットのレコード件数を集計するデータポケットを作成する
※このチュートリアルは、ガイド「初めてのPlatioチュートリアル2」で作成した写真日報ミニアプリに集計用データポケットを追加します。あらかじめチュートリアル2を参考に「写真日報」テンプレートからミニアプリを作成して動作確認後、このチュートリアルを進めてください。(作成したミニアプリへのレコードの登録は後の手順になります。)
チュートリアル開始
写真日報ミニアプリで「写真日報」データポケットに、以下のようにユーザー user1とuser2がそれぞれ10月と11月に報告して、レコードを作成したとします。
※見やすさのため、画像フィールドを省略しています。
レコードの例:(1行目がフィールド名)
「写真日報」データポケットに登録したレコードを集計対象にして、月単位でユーザーごとに報告した件数を集計する集計用データポケットを作成します。
集計用データポケットで集計結果レコードは下記のように処理することができます。
集計処理
集計処理では、集計対象のレコードでどのフィールドをキーに集計するかを決めます。キーは1つまたは2つ指定することができ、1つ目のキーを「主キー」、2つ目のキーを「副キー」といいます。
「写真日報」データポケットでの集計処理では、月単位でユーザーごとの報告件数を求めるので、「報告日時」フィールドが主キー、「報告者」フィールドが副キーになります。
上の表で示すと各キーが以下になります。
年月 ←主キー | 報告者 ←副キー | 報告件数 ←集計結果 |
2024-10 | user1 | 3 |
2024-10 | user2 | 1 |
2024-11 | user1 | 3 |
2024-11 | user2 | 3 |
「月別報告件数」ミニアプリを作成
集計用データポケットを以下の構成で作成します。
レコード管理タイプでデータポケットを作成しましょう。
月別報告件数データポケット(集計用)
・年月:テキストフィールド
・報告者:ユーザーフィールド
・報告件数:集計フィールド
Platio Studioでの操作手順は以下になります。
- 「データポケットを追加」をクリックして作成し、タイプがレコード管理のデータポケットを作成
- データポケット名を設定(Enterキーで確定)
- フィールドのメニューから、画像フィールドを削除
- テキストフィールド名を「年月」に変更(Enterキーで確定)
- 追加アイコン「+」からユーザーフィールドを追加し、フィールド名を「報告者」に変更(Enterキーで確定)
※フィールドの追加は、フィールドの追加画面でフィールドタイトルをダブルクリックすると追加できます。
ここまでの操作で、キーのフィールドを用意しました。
操作の流れを以下の動画で確認してください。
動画4-1(約1分:音声無し、字幕なし)
集計フィールドを追加
次に集計フィールドを追加します。
集計フィールドを使った集計用データポケットでは、集計対象(以降、集計元と呼びます)のレコードが作成・更新・削除される度に処理が行われ、集計用データポケットのレコードが生成・更新されます。
集計用データポケットには、集計元の主キーと副キーを設定するフィールドを追加します。
主キーの「報告日時」は日時フィールドなので、月単位表示に設定するフィールドとしてテキストフィールドを用意します。
副キーの「報告者」はユーザーフィールドなので、同じユーザーフィールドを用意します。
※集計フィールドには指定が必須のプロパティがあるため、プロパティを設定しないで保存するとエラーになります。集計フィールドを追加したらプロパティを設定して保存しましょう。
Platio Studioでの操作手順は以下になります。
フィールドを追加した後、プロパティを表示します。
- 追加アイコン「+」から集計フィールドを追加し、フィールド名を「報告件数」に変更
- 集計フィールドのプロパティを表示
- 下図の内容を設定して保存
- データポケットを保存
- ミニアプリを配布
集計フィールドのプロパティ
・タイプ:レコード数
・集計元データポケット:「写真日報」
・集計元の主キー:「報告日時」
・主キーのグループ化:月
・集計元の副キー:「報告者」
・副キーのグループ化:なし
・主キー:「年月」
・副キー:「報告者」
フィールドの型や用途が一致していないと項目がグレーアウトして選択できないので、フィールドの型を合わせるように確認してください。
操作の流れを以下の動画で確認してください。
動画4-2(約1分30秒:音声無し、字幕なし)
これで集計用データポケットの作成が完了しました。
ミニアプリを配布後、データビューアーとPlatioアプリで確認しましょう。
集計処理を確認
「写真日報」データポケットでレコードを追加・削除すると、集計処理が行われます。
データビューアーでCSVファイルのデータを「写真日報」データポケットへインポートして追加し、集計結果を確認してみましょう。
※サンプルのCSVファイル(Platio_Tutorial_data4.csv)をダウンロードしてお使いいただけます。このサンプルでは、レコード作成者を指定するためのフィールド(_createdBy)が追記されています。後述の「レコード作成者」をお読みください。
レコードのCSV形式の例:(1行目がフィールド名)
報告日時,報告者,タイトル,備考,_createdBy
2024/10/15 16:43,user1,ケーブル配線図,,user1
2024/10/19 15:53,user2,排煙装置,,user2
2024/10/23 15:17,user1,装置異常,,user1
2024/10/26 17:08,user1,A社様内扉修理、施工状況,クロージャーの交換が必要,user1
2024/11/06 15:14,user2,車両状態,右側のライトの点灯状態が悪い,user2
2024/11/15 13:43,user1,フロア西側照明,,user1
2024/11/15 16:03,user1,カーテンレール,,user1
2024/11/21 14:51,user2,自動ドア,,user2
2024/11/25 14:24,user2,建物北側外壁,,user2
2024/11/25 16:33,user1,中央外灯,,user1
データビューアーでレコードをインポート
データビューアーへのログインユーザーは user2(管理者)でログインします。
インポートの操作は「チュートリアル1」を参考にしてください。
重要:インポート時に「各レコード作成者を指定する」オプションをオンにしてインポートします。
インポート画面は下図のように指定します。
「写真日報」データポケットへレコードのインポートが完了すると、下図のようになります。
データビューアーで集計結果を確認
集計用データポケットの「月別報告件数」データポケットを確認します。
データビューアーでの操作は以下です。
- 「写真日報」データポケットのレコードリスト画面から左上のデータポケット名をクリック
- リスト表示されたデータポケット名から「月別報告件数」をクリック
月別でユーザーごとのレコード数が集計された集計結果のレコードが自動生成され、確認することができます。
操作の流れを以下の動画で確認してください。Platio Studioからデータビューアーを表示して「写真日報」データポケットへCSVファイルをインポートし、「月別報告件数」データポケットで集計結果を確認します。
動画4-3(約1分20秒:音声無し、字幕なし)
このチュートリアルでは、集計フィールドのプロパティで「タイプ」を「レコード数」(報告件数)で作成しましたが、集計処理には対象としたフィールドの「合計」や「最新値」など下図の処理を設定することもできます。
下記のガイドでは、最新値を設定する集計処理の手順を確認できますので参考にしてください。
Platioアプリでの表示を確認する方法は、次の「補足:機能概要」で説明していますので操作してみてください。
今回のチュートリアルは以上です。
補足:機能概要
もっとPlatioを便利に使う設定や機能があります。
以下について簡単に説明します。詳しくは各種ガイドのリンクを案内しますので、そちらをご参照ください。
Platioアプリの一覧シーンに表示する項目
チュートリアルで使った「写真日報」データポケットをPlatioアプリで見てみましょう。
ここでのログインユーザーはuser1です。
Platioアプリでミニアプリを更新して「写真日報」データポケットを表示すると、レコード作成画面が表示されます。右下の一覧アイコンをタップします。
表示されたレコード一覧では各レコード情報が表示されています。
レコード一一覧を閉じるには、画面の上から下へスワイプします。
次に、「月別報告件数」データポケットに切り替えてみましょう。集計結果のレコードリストでレコード情報が表示されています。
レイアウトを設定できるシーンの設定
このレコード一覧でのレコード情報に、どのようなレイアウトでフィールド値を表示するかはPlatio Studioのシーンの設定で行います。
Platio Studioでのシーンの設定を変更してみましょう。「月別報告件数」データポケットのレコード一覧で「年月」「報告者」「報告件数」が表示されるようにします。
Platio Studioの「月別報告件数」データポケット編集画面で下部にある一覧シーンのプロパティアイコンをクリックします。
右にある「割り当て」で表示するフィールドを設定します。
「サブタイトル」に「報告者」、「概要」に「報告件数」を設定して「完了」をクリックし、画面上部にあるデータポケットの「保存」をクリックして保存します。続けてミニアプリを配布します。
操作の流れを以下の動画で確認してください。
動画4-4(約1分:音声無し、字幕なし)
Platioアプリで配布されたミニアプリに更新し、「月別報告件数」データポケットのレコード一覧を表示すると、設定したフィールド値が表示されていることが確認できます。
操作の流れを以下の動画で確認してください。以下の動画では、元のレコード一覧で「年月」が表示された状態から設定メニューでミニアプリを更新し、配布された新しいミニアプリのデータポケットで、レコード一覧に「年月」「報告者」「報告件数」が表示されるようになったことを確認できます。
動画4-5(約20秒:音声無し、字幕なし)
このレコード情報を表示する部分は、見出し(ラベル)を付けたり色を付けたりすることもできます。
詳しくは下記のガイドをご参照ください。
Platioアプリでレコードを削除する方法
レコードの削除が、集計処理に反映される動作を見てみましょう。
チュートリアルのここまでの操作で、Platioアプリの「月別報告件数」データポケットのレコード一覧で報告件数を確認できます。「写真日報」データポケットで報告のレコードを1件削除して、集計処理の確認をしてみましょう。
Platioアプリでの操作手順は以下になります。
- Platioアプリで「写真日報」データポケットのレコード一覧を表示します。
- Platioアプリでレコードを削除するには、レコード一覧でレコード部分を右から左にスワイプします。
- 削除アイコンが表示されるので、タップします。
操作の流れを以下の動画で確認してください。以下の動画では、「月別報告件数」データポケットでuser1の11月の報告件数(この例では「3」)を確認し、「写真日報」データポケットでuser1の11/25の報告レコードを削除してから再度「月別報告件数」データポケットで11月の報告件数(この例では「2」)を確認しています。
※user1は、user2のレコードは削除できません。
動画4-6(約40秒:音声無し、字幕なし)
報告のレコードを削除後、「月別報告件数」データポケットのレコード一覧を表示すると削除したレコードの報告件数が減っていることが確認できます。
集計処理は、内部タスクを使用します。集計の実行タイミングや実行回数の制限については、下記のガイドをご参照ください。
集計フィールドについては下記のガイドも参考にしてください。
Platioアプリでレコードを削除できないようにする設定ができます。設定は、シーンの設定で行うことができます。詳しくは下記のガイドをご参照ください。
レコード作成者
Platioでは、レコードのフィールド情報と別で、レコード作成者(ユーザー)、レコード作成日時、レコード最終更新日時の情報を保持しています。
レコード作成者は、Platioアプリとデータビューアーでレコード表示した画面の右下に表示されます。
Platioアプリのレコード表示
データビューアーのレコードリスト
※レコード表示画面でも右下に表示されます。
データビューアーからのインポートでは、このチュートリアルで操作したように、インポートするCSVファイルに"_Createdby"フィールドを記述して、ユーザー管理者でインポート操作をすることにより設定可能です。
レコード作成者は、データポケットのレコードの読み書き権限に利用されます。権限については、下記のガイドをご参照ください。
データビューアー:サンプルのCSVファイル