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収集したデータを集計するには
Platioアプリで入力して収集した数値データは、自動集計するデータポケットを作成しておくことで合計値、平均値やデータの件数などをリアルタイムで表示・確認することができます。また、収集したデータの最新情報(数値、テキスト、日時、位置)をすぐに確認することができ、現場の作業状況の把握が容易にできます。
集計処理
Platioのデータポケットで収集したデータを、別のデータポケットで参照して集計処理を行います。同じミニアプリ内のデータポケットが処理の対象になります。
集計の処理を指定するために集計フィールドを使います。集計対象のフィールドを含む生成元のデータポケットへレコードが追加・更新されたときに、集計フィールドを含む別の集計用のデータポケットで自動集計して値が設定されます。
《利用例》
- Platioアプリで実施したアンケートの回収件数を表示する(収集したレコード件数を表示)
- 配送報告から確認時点の現在地を表示する(収集したレコードから最新の地図データを表示)
- 製造日報で報告された生産数から月ごとの生産数の合計や平均を集計して表示する(収集したレコードの指定した数値フィールドの合計と平均を表示)
- 店舗ごとに報告されたキャンペーンの日売上の合計を集計して表示する(収集したレコードの指定した数値フィールドの合計を表示)※下図参照
集計処理を追加する流れ
集計処理を追加する、つまり集計用データポケットを作成するには、以下の流れで行います。ここで合わせて、集計フィールドプロパティの名称(以下、太字)を説明します。
※実際の作成手順は後述の「集計用データポケットを作成する」で図示して解説します。
①集計対象のフィールドを含むデータポケットを「生成元データポケット」と呼びます。生成元データポケットで集計対象のフィールドを決めます(例:売上金額、生産数、など)。このフィールドを「生成元の値」と呼びます。
※集計のタイプが「レコード数」の場合は不要です。
②生成元データポケットで、キーとなるフィールドを決めます(例:店舗名、報告日、工程名、など)。1つめのキーを「生成元の主キー」と呼びます。キーを2つにする場合、2つめのキーを「生成元の副キー」と呼びます。
③集計用データポケットを新しく作成します。
生成元データポケットの「生成元の主キー」のデータを表示するため、「主キー」となる同じ型のフィールドを追加します。副キーを指定する場合は、同様に「副キー」となる「生成元の副キー」と同じ型のフィールドを追加します。
④集計用のデータポケットに、集計フィールドを追加します。
⑤集計フィールドプロパティに、①~④の手順で確認した項目を設定します。
※1つのデータポケットに複数の集計フィールドを追加する場合は、それぞれの集計フィールドで主キーと副キーは同じ設定にします。
集計の主キー/副キーとは
集計に使う主キー、副キーの参考例を示します。
例えば、店舗ごとにキャンペーン単位の日売上を入力する報告用のデータポケットがあります。
店舗単位で売上の合計を集計したい場合
報告用データポケットを対象にして、「店舗名」フィールドを主キーに指定して「売上」フィールドの合計を求める集計用データポケットを作成します。
店舗単位とキャンペーン単位で売上の合計を集計したい場合
報告用データポケットを対象にして、「店舗名」フィールドを主キーに指定し、「キャンペーン名」を副キーに指定して「売上」フィールドの合計を求める集計用データポケットを作成します。
キーのグループ化とは
作業日などを日時型や日付型のフィールドで登録している場合、主キーまたは副キーに該当のフィールドを選択して年・月・日の単位にグループ化して集計することができます。
例えば、店舗ごとにキャンペーンの日売上を入力する報告用のデータポケットがあります。
全店舗で月単位で売上の合計を集計したい場合
報告用データポケットを対象にして、「報告日」フィールドを主キーに指定し、各月でグループ化して「売上」フィールドの合計を求める集計用データポケットを作成します。
集計処理でのレコード生成・更新
生成元データポケットにすでにレコードを登録している場合、集計用データポケットを作成して配布すると、すぐに集計処理が行われます。または、生成元データポケットにレコードが無い状態で、新規にレコードを追加した場合、集計用データポケットですぐに集計処理が行われます。
初回の集計処理では、集計用のデータポケットの「主キー」「副キー」となるフィールドへのデータの自動生成も同時に行われます。例えば、例のように店舗名が主キーの場合、店舗名フィールドに”池袋店”や”上野店”のようなデータが自動で登録され、集計フィールドには集計データが自動で登録されます。
登録済の”上野店”に新しい報告日などで売上のレコードを追加したときは、すでに登録済の”上野店”のレコードの売上の集計データが更新されます。
また、新規に”品川店”のように「主キー」に登録されていないデータのレコードを生成元データポケットで追加した場合には、集計用データポケットにも”品川店”のレコードが新規で追加されます。
集計用データポケットを作成する
生成元データポケットで集計対象となる「生成元の値」「生成元の主キー」、集計対象に応じて「生成元の副キー」を決めたら、集計用データポケットを作成します。
例として、店舗一覧から店舗を選択してキャンペーンごとの売上金額を登録する「実施報告」データポケットがある場合に、集計用データポケット「店舗売上状況(管理)」を作成して店舗単位で売上金額の合計を集計する手順を説明します。
「実施報告」データポケットは以下のフィールドで構成されています。
ここでは、生成元の値が「キャンペーン売上金額」、主キーが「店舗名」になります。
※「店舗名」フィールドは、別の「店舗一覧」データポケットからレコード選択しています。
①データポケットを追加します。ミニアプリのデータポケット一覧で「データポケットを追加」をクリックします。
②データポケットのタイプで「レコード管理」を選択して「追加」をクリックします。
③データポケット名を変更します。
生成元の主キーと同じ型のフィールドを追加します。副キーがある場合、生成元の副キーと同じ型のフィールドも追加します。
④集計フィールドを追加します。プロパティアイコンをクリックしてプロパティの画面を表示します。
⑤集計フィールドプロパティを設定して「完了」をクリックします。
⑥一覧シーンの割り当てを設定します。設定アイコンをクリックします。
⑦割り当てを選択して「完了」をクリックします。
⑧データポケットを保存します。
⑨画面右上の「配布」ボタンがクリックできるようになります。
「配布」をクリックしてミニアプリを配布します。
生成元データポケットにすでにレコードを登録している場合、集計用データポケットを作成して配布すると、すぐに集計処理が行われます。
または、生成元データポケットにレコードが無い状態で、新規にレコードを追加した場合、すぐに集計処理が行われます。
Platioアプリまたはデータビューアーでミニアプリへログインし、集計用データポケットで結果を確認します。
主キーがレコード選択フィールドの場合
ここでの作成例のように、生成元データポケットの主キー(店舗名)が別のデータポケット(店舗一覧データポケット)から参照するような「レコード選択」フィールドの場合、集計用のデータポケットでも同様に主キーには「レコード選択」フィールドを追加し、同じ選択元データポケットで同じフィールドを指定します。
キーのグループ化
年・月・日の単位で集計したい場合、日時型や日付型のフィールドを主キーまたは副キーに選択してグループ化の項目で「年」「月」「日」のいずれかを指定します。
この場合、集計用のデータポケットでキーに対応するフィールドの型は、以下を利用します。
グループ化 | 集計用データポケットのフィールド |
年 | 数値フィールド |
月 | テキストフィールド |
日 | 日付フィールド |